マンチェスター・ユナイテッドはどこに向かってる?

香川を開幕から3戦連続で先発起用したファーガソン監督だが、2戦目、3戦目どちらも途中で交代させている。2戦目はルーニーファンペルシーの組み合わせを確認したかったという感じもあるが、3戦目はどう考えてもわからない。ナニに代えるならウェルベックの方だろう。まあ、そのウェルベックも結局はエルナンデスと交代したんだけど、それまでの試合については一体何を見ていたのかと思いたくなる。
香川はサイドアタッカーでも攻守両方こなす役割のボランチでもない。確かに日本代表では左サイドだがトップ下の本田とは流動的に動くようにしている。
マンチェスター・ユナイテッドでは4−2−3−1のトップ下だが、4−4−2もしくは4−4−1−1になると香川を外す傾向があるように思える。つまり昨年までのユナイテッドのやり方にはフィットしない選手と認めているようなものだ。
香川が出てる試合を見ているとボールは常に動いていて、香川がいいアクセントになっている。香川が引っ込むと途端に中盤を飛ばしたりドリブルで持ち上がって行ったりと、これまでのやり方をし始める。しかもサバイバル競争が激しいためにスタンドプレーに走り勝ちだ。
香川を途中交代させる意図は、ファーガソンにとってはまだ香川が馴染みきっていないと判断しているとしか考えられない。確かに中盤でショートパスを回せるような選手はいない。前線にいるファンペルシーはアーセナルでやってきたのでそれなりに対応はできるが、他の選手は昨年までのやり方のほうが慣れてるせいか、香川にパスを出すタイミングが測れないでいるように見える。
これじゃ宝の持ち腐れである。香川を活かしたいなら普段の練習からそうした連携を取り入れていくべきだろう。ファーガソンははそうした指導をしていないようだ。

皮肉にも香川が交代した試合はいずれもマンチェスター・ユナイテッドが勝利を収めている。
だが、2節3節の連勝はファンペルシーの個人の能力のおかげであって、ファーガソンの選手起用があたったからという感じには思えない。こうした勝利に味をしめて去年のやり方を主にしていくようでは、「マンチェスター・ユナイテッドよ、どこへ行く?」という感じになって、チームコンセプトがボヤけてしまうと思うのだが…。それともただ単に勝てばいいということなのか?