原発推進の恐ろしさ

今回の福島第一原発事故の波紋は世界中に広がっている。
今回の事故の直接原因は地震津波によるものであった。地震で原子炉が停止したものの、津波で安全設備が破壊され、核燃料棒の冷却ができなくなってしまった。
しかしその後はどちらかというと人災が続いており、いまだに収束できない状況だ。
◎初期動作における海水の注入へのためらい
アメリカからの冷却材提供を断ったこと
◎冷却ポンプの燃料切れ
◎作業員の被ばく
など、他にもあるだろう。
津波が想定された規模を大幅に上回ったためにこうした事態になったと言われている。
しかし、想定されるようなことは対応してて当たり前。問題は想定されない事態が起こった場合にどうするかである。
想定されない問題に対応するのはかなり困難なことだ。想定されてないのだから準備をしているわけがないからだ。
想定されていない問題が発生した場合にできることは、できるだけ被害を極小化することだけだ。
原発推進論者は想定されていることしか起こらないと考えているとしか思えない。想定されない事態が起こった場合にはどうしようもないのだ。相手は人間が直接触れることができない放射能を持つ物質なのだ。
万が一どころか億が一、兆が一を考えておかなくてはならない代物である。
六本木の会社の元社長は「六本木ヒルズの隣に原発ができても住み続けるよ」と言っているが、そもそも想定したことしか起こらないのであれば、彼は今でもその会社の社長だっただろう。それが、自分が作った会社から出て行かなくてはならかったばかりか、その会社から賠償請求までされて和解金で200億あまりの金を払う羽目になってしまっている。つまり彼の言うことなどあてにならないことを示している。彼の想定外は検察に逮捕されたことだ。事実がどうであれ、彼は逮捕され、会社から追い出され、会社へ和解金を払っている。会社を立ち上げたときや弱小球団を買収しようとしている頃にはそんなことは想像もしてなかっただろう。
想定されていない事態は起こると考えておかなくてはならない。ブラックスワンは存在する。今回の大災害で我々はそれを学ばなければならないと思う。
ただ、代替エネルギーに関しては今後の研究に期待するしかないところが、悲しいのだが…