派遣法は派遣社員のためならず

うちの会社でも派遣社員を採用していているが、改正派遣法とやらで派遣社員をやめさせなくてはならない事例が出てきそうだ。
というのも、派遣法では26業種が定められているが、それはざっくり下記の通り。(http://www.hakenhou.biz/roudoushahakenhou-26gyoumu(26gyoushu).htmlより引用)

1 コンピュータのシステム設計
2 機械等の設計、製図
3 放送番組の映像機器の操作
4 放送番組の作成における演出
5 事務用機器の操作
6 通訳、翻訳、速記
7 秘書
8 ファイリング
9 マーケティング
10 財務処理
11 貿易文書の作成
12 コンピューター、自動車のマネキン
13 ツアーコンダクター
14 建築物の清掃
15 建築設備の運転、点検
16 建築物の受付
17 科学の研究開発
18 企業の企画、立案
19 図書の制作における編集
20 商品、広告のデザイン
21 インテリアコーディネーター
22 アナウンサー
23 OAインストラクション
24 テレマーケティング
25 セールスエンジニア
26 放送番組の大道具、小道具

これでザッツオールだ。これ以外の仕事で派遣社員は雇えないのよ。うちの会社の場合だと1か5しかない。
秘書やファイリングもありみたいに思えるけど、結構条件が厳しくてとてもじゃないがやってられんわけ。
で、うちの会社はSI事業をやっているが、1のシステム設計(システム開発)では派遣は利用できない。なぜなら正社員または委託契約で済んでしまうので派遣は使えない。
主に利用するのは5だが、単純労働であってはならないとなると、これまた社員がやるしかないので派遣は利用しないことになる。
他の業種もうちの会社では該当するものがないし、先に書いたように該当しそうな感じでも条件を突き詰めると派遣にはできなかったりする。
つまり、派遣が働くための窓口が凄く小さくなってきているのだ。派遣市場は主婦をはじめとする一時雇用を希望する人が多いのだが、彼らが働く機会を減らしているだけなのだ。
まあ、正社員で雇えってのが趣旨なのかも知れないが、正社員になりたくない人もいるわけで、働くための環境に柔軟性があっても良いと思う。そもそも派遣や派遣切りが問題なのではなく、不況により首を切らなきゃならない状況が悪いわけで、政治家の無策を民間に押し付けているだけだろってのよ。
ということで、「何でもやります」という人に「それじゃあ、雇う方が困ってしまう。ちゃんと自分のやりたいことを決めないと」などと上から目線で言っていた首相もいるけど、現実はそんなもんじゃないんだから、ちゃんとやらなきゃならんのは政治家の方だってこと。