宮崎アニメに関する考察(あくまでも個人的な所感です)

最近のジブリ作品はすごく薄っぺらい感じがする。
最新作の崖の上のポニョもそうだ。
その理由は「ストーリーがわかりにくい」ということである。
全体の流れの中の裏にあるものや背景の説明がすごく不足しているのだ。
そのため、ストーリー展開の必然性が全く見えないのだ。
たとえば、ポニョの父親についてだが、彼はもと人間だったそうだが、なぜいまのような存在になったのか。
彼の目的は何なのかが全然語られていない。
漠然と「こうではないか」と想像はできるが、それではいけないのだ。
こはちゃんと語るべき。そうでないとポニョがやったことの重大性が伝わってこないため、ストーリー全体に厚みがなくなってしまうことになる。
ハウルの時もそうだった。
ハウルはどうやって生まれたのかをはっきり描くべきだった。
彼の存在こそあの作品のすべてだったのだから、そこを省略したら意味がない。
ラピュタは宮崎作品にしては珍しく善悪をはっきりさせていたので、とってもわかりやすく、感情移入もしやすかった。
ナウシカについても腐海のできたわけに言及するなど、ストーリーの背景にあるものを明確にしていたおかげで、ラストシーンが引き立っていた。
そういうのがいつかしらなくなっている。
いえば、宮崎氏自身の自己満足で作っているという感じがするのだ。
これは鈴木プロデューサをはじめとして、誰も作品に対して物言わぬようになっているからではないかと思われる。

また、宮崎氏はいまだに古典的な方法でアニメ作りをしているが、これは生産性が低く、やり直しにも時間がかかる。
つまりいったん作ってしまうとやり直しがなかなかきかないということだ。
周りからすると実績のある宮崎氏にものをいいにくいのと、いざやり直しになった場合のロスを考えると、公開してしまえばある程度の観客動員を見込めるという観点から見てこの程度のできであってもリリースしてしまって大丈夫と判断しているのかも知れない。
でもそれじゃ、ジブリ作品愛好者に対してとっても失礼だと思う。
もっと周りは宮崎氏にものをいっていくべきじゃないのかと考えるが、いかに。