タイがまたきな臭い

インラックがタクシン帰国を睨んだ「恩赦法」を制定しようとして、反発を食っているらしい。もちろん相手は野党とそれを支持する黃シャツの連中。
アソークスクムビットなど中心街はデモ隊が来ているとか来てないとか。日本にいるとそのあたりの情報がなかなか伝わってこないのがもどかしいところ。
折しもかみさんと子どもがバンコクにいるわけで、心配にならないわけがない。
インラックは選挙で選ばれた結果の首相であり、アピシットとは違う。アピシットは軍事クーデターに乗じて選挙を経ずに首相となったわけで、民意はインラック支持のはず。だが、バンコクではタクシン派はマイノリティらしい。
なぜか。思うにタクシン政権時代に、バンコクと地方の格差を是正するための政策をとったために、バンコクにいる既得権者たちの不満がつのったのではないか。今の騒動もその既得権者たちの影が後ろから透けて見える気がする。
かつて軍が反タクシンを旗揚げして、タクシンが外遊中にクーデターを起こしたが、民主国家にはあってはならないことだと思う。
タクシンについては、自分が所有する土地に道路を引いたりなど、首相時代に色々とあったようだが、そういうことは日本の政治にだってあるわけで(あっていいということではない)、不満があれば選挙で落とせばいいのである。今の反インラックの騒ぎについても、同様で、選挙の結果を尊重しない姿勢は改めるべきだろう。選挙でしか政権交代はあり得ない、そういう国になってほしい。
選挙をしたらタクシンを支持する人が多いということは、タイにおいてバンコクはマイノリティと考えるほうが自然だろう。
いかにタクシン以前にバンコクにいた連中が搾取していたかがよくわかる。昔はタイの僻地ではIDカードももらえない人が大勢いたそうだ。忘れられた国民たちだった。タクシンがそれを改革した。
タイの経済が破綻した時にも、タクシンが首相となり手腕を発揮し、タイの経済を持ち直させた。そういう功績を評価しないで、ただひたすらタクシン憎しで行動するとは、タイもまだまだ遅れてるという証拠なのかもしれないなあ…