本物のチャンピオン山中

山中の3度目の防衛戦も相手は元世界チャンピオンだった。しかもトップランキングに位置づけられたボクサーだ。ツニャカオはスピードもパンチもある一流のボクサーであることが試合開始早々から分かった。その相手にどういう戦いをするのかが見ものだったが、山中は相手の一瞬のすきをついてカウンターをぶち当て、最後には見事なTKO勝利を飾った。
前日に同じくバンタム級のタイトルマッチがあったが、亀田の試合とは雲泥の差だった。亀田は強打者と対戦するときにはいつも逃げ足を使い、ガードを固めるだけの試合をする。打ち合わないからスリルもおもしろみもない。名ばかりチャンピオンとして存在しているだけだ。おそらく山中とはやらないだろう。やっても勝てる確率は極めて低いし、次はスーパーチャンピオンアンセルモ・モレノになりそうとのことなので、おそらくベルトを失うだろう。また亀田家が最終兵器と言っている亀田和毅も(どうせマッチメイクはできないだろうけど)相手にならないだろう。
山中の次の相手はなかなか難しそうだ。統一戦をやりたいとのことだが、相手が果たして受けてくれるのか。アンセルモ・モレノが亀田とやれば、その次にアンセルモ・モレノが相手としていいかもしれない。
とにかくパンチが強く、切れる。しかもディフェンスも悪くはない。このまま無難に防衛を重ねることも可能だろうが、高みを目指す姿は素晴らしい。まさしく名チャンピオンへの道を歩いている。
今の日本チャンピオンの中では、内山と山中の二人が頭ひとつ抜けた存在だろう。続くのは井岡か。彼もローマン・ゴンサレスとやって欲しいが、かなり厳しそうだ。やる前に階級を上げて逃げるかな。ぜひ見たい一戦なのだが…