母は死ぬまで嫁嫌いでいくのだろう

今、神戸から母親が来ているが、かみさんがいないときにかみさんの悪口を私に聞かせる。
「お前がいないときに、こういうことをしていた」やら「女だてらに酒を飲んでいる」、「言葉遣いが悪い」、「話しかけても無視した」、「すぐ友達の所に遊びに行く」、「あの店はおいしくないって教えたのにまた買っていた」などなど。
他には「掃除の仕方が悪い」だの「大きな声を出して怒る」だのと、何かにつけて難癖をつけたりする。
これが本人に面と向かって言わないで、私にだけ言うので、気持ちとしては板挟みなんだよね。
まあ、面と向かって言われてけんかになるのも最悪なんだけどね。
自分としては、心の中にしまって欲しい訳よ。
人生経験が長い割には、子供レベルの感性しかないのが情けない。
私のかみさんはタイ人なので日本語で話しかけられても時々わからないときがあるんだよね。
友達の所に遊びに行くのも海外居住者なら同じ国の人のコミュニティが大切だというのを知っている人なら理解できるはず。
恥ずかしながら私の母親は教育も満足に受けられるような環境で育たなかったせいもあって、教養がない。
それを攻めるつもりはない。15歳から働いて弟たちを育ててきたのだから、立派な人だと思っている。
だけど、それだけ自分の生き方に対して自信過剰になってしまって、他人を見下す癖がある。
海外のことも疎い。
海外渡航も去年私と一緒にタイに行ったのが初めてだったし、基本的に外人のことはわからない人だ。
文化の違いも全く受け入れることができない。
日本食は世界で一番うまいと思っているからね。他においしいものを知らないだけなんだよね。
口に合うか合わないかというレベルのものでも、自分にとっておいしくなければ「おいしくないもの」と決めつける。
他人に対する愛情も薄く、自分が気に入った友達(つまり自分に逆らわない人)としか付き合わないところがあったりする。
自分に意見を言う人が嫌いで、そういう人には付き合ったとしても、笑顔の裏で舌を出すような感じの付き合い方をする。
そういう母親ではあるが、私のかみさんはとっても大事にしようと考えてくれるんだよね。
タイ人は年上の人や年寄りにはとても優しい。
その文化を受け継いでいる人なのよ。
そういう気持ちも知らず、嫁のことを悪く言う母親を私はとっても恥ずかしく思う。
まあ、本人には死ぬまで言うつもりはないし、このまま棺桶の中まで持って行かせるつもりだ。
いつかはわかってくれるかも知れないし、一生わからないかも知れない。
おそらく後者だろうが、私もかみさんもそれでいいと思っている。
人の性根はそう簡単に直せないからね。
嫁と姑の関係は永遠のテーマなのかも知れないね。
姑にすれば嫁というのは所詮自分の息子をとった女なんだろう。